「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」河合雅司(著)を読んだ

衝撃的な本だった。

日本は今後、世界史でも類を見ないスピードで、衰えていく。

お年寄りが増えて、若者が少なくなる。だけど頑張ってなんとかしよう。みんな、なんとなくそう考えているのではないか。

でも、少子高齢化はそんな甘い問題ではない。日本が消えるんじゃないか、というぐらいの国難だ。

「未来の年表」はどんな本?

今日本に、何歳の人が何人いるか。

これは確定している数字だ。

そこに出生率や平均寿命も合わせると、何年後に何歳の人が何人いるのか、だいたいわかってしまう。

すると、日本がかかえる最大の問題、「少子高齢化」によって、日本社会がどうなっていくのかが、推測できる。

そうやって、ここ数年先から、2050年ごろまでの風景を、描写したのが本書だ。

今後、恐ろしい勢いで高齢者が増えることがわかる。

活きのいい高齢者は減る 働けない高齢者が増加する

若い現役世代が減る。それはもう確定しているからしかたない。

シルバー世代が働くことで現役世代の不足を補う。高齢化を遅らせることができる。一生現役でいいじゃない。

▲そんなふうに考えていた時期が 俺にもありました

定年となる年齢60歳は、今後確実に引き伸ばされる。国はすでに、公務員の定年を65歳まで引き延ばす検討をはじめている。

たしかに高齢者は元気だ。60歳なら、いくらでも動けるだろう。65歳でも、まあいける。

でも、70歳になるとどうか。75歳では? 80歳になったら?

実は、今後急増していくのは、労働の担い手としては期待できない、そうした超高齢者だ。

シルバー人材の活用。高齢者の就労。……つったって、80歳のおばあさんになにができるの? と。

「一度にお渡しできる湿布薬は○十枚までです」

将来の超高齢者の数は平均寿命からはじいているわけだが、しかしそうそう計算通りにいかないんじゃないか、と僕は思っている。

現在の社会保障制度がこのまま続くわけがない、だろうから。

サラリーマンしてると実感がないが、現役世代はすでに高額の社会保障費を負担している。特に、健康保険。会社やめて起業してみると、自治体からとんでもない金額の請求がきて、何かの間違いかと自分で計算してみたら合っていて、ビックリした。

それでも医療費は全然足りないので、国は国債をガンガン発行して借金しまくってなんとかしているわけだ。

いっぽうで、先日病院に行ってみたら、

「今後、一度におわたしできる湿布薬は○十枚までとなりました」

という張り紙があって、お年寄りであふれかえる待合室のイスからすべり落ちそうになった。

湿布なんて効果が薄いものを、これまでは○十枚以上処方してたし、これからも○十枚までは処方し続けるのか。サラリーマンの血と汗を絞った医療費を、そんなものに!

と怒りに震えてたら僕も湿布を20枚ぐらい処方されてしまった。こんなイビツで、現役世代の力を削ぎ取るような制度、早く滅んでしまわないか。

長寿を支えているのが社会保障だとしたら

日本の健康保険制度は早晩に限界を迎えるんじゃないかと思うんだが、仮にある日、国がギブアップして病院が止まるとどうなるのか。

社会保障がストップし、国民の平均寿命が急激に短縮した事例として、ロシアがある。

いまこそ歴史に学ぶとき。財源不足で社会保障が止まったら…まず犠牲になるのは、やはり公的補助の多い弱者から

▲「みんなの介護ニュース やまもといちろうゼミ」より。

1990年代前半、政治混乱で社会保障費の支給がストップしたロシアでは、男性は7歳、女性は3歳も平均寿命が短くなったとのこと。

7歳というのは強烈な数字だ。

社会保障システムの破綻というと、まだ遠い先のような気がするが、健康保険制度についてはここ数年のうちに限界を迎えて色々とあるんじゃないか。

少子高齢化対策はとっくに手遅れ

湿布の件で頭にきており、脱線してしまった。

仮に平均寿命がざっくり減ることがあっても、それで少子化が改善するわけではない。

本書でも述べているように、少子化と高齢化は別の問題なのだ。

少子化に本腰を入れるなら、子どもを産んだ女性にお金を注ぎ込まなければならないんだが、すでに子どもを産める女性が減っているので、手遅れだ。

色んな手がもう手遅れなので、本書では「しかたないので戦略的に縮みましょう」と提案しているんだけど、正直、それさえ今の日本にはできないんじゃないか。

と、ここまで書いておいてなんだけど、僕も子どもを作れなかったので、少子高齢化を推し進める側だ。若い世代には申し訳ない。

せめてたくさん働いて税金をたっぷり納めてお詫びしたい。

おしまい。