龍帥の翼 1〜3巻を読む 「修羅の門」「海皇記」の作者が楚漢戦争をどう描くのか

修羅の刻17巻の巻末に、本作「龍帥の翼」の連載がスタートしていることが載っていて、楽しみにはしていたんだけど、読むのに二の足をふんでいた。

「キングダム」のすぐあとの時代の話なので、ネタバレが怖いんだよな。でも読みたいなー、どうしようかなー、としばらく悩んでいたが、読んでしまった。

川原版の「項羽と劉邦」

著者は、一巻後書きで「司馬遼太郎の『項羽と劉邦』に影響され、ずっと昔からこの話を描きたかった」と述べている。「キングダム」の後追いじゃないよ、という思いがあるのか。

そういえば、「修羅の門」でも、ボクシング編の連載中にグレーシー柔術のブームが来て、そのあとに陸奥九十九が南米に渡りグラシエール柔術と出会うのだが、作者の川原さんは「いやブラジルの柔術の話はボクシング編の前から構想があってグレーシー柔術がはやったから描いたんじゃないんだ」と何巻かの後書きで述べていたようなことがあった。

創作していくうえでの細かな心情をここまで細かに明かしてくれる漫画家さんはあまりおらず、そういったあたりも楽しめるので、単行本の後書き含めて楽しみにしている。

やはり「キングダム」のネタバレとなってしまうのはさけられない

この作品がおもしろくなるか、どうか。そこは、項羽と劉邦をどう描くかにかかっている。3巻まで読んだところでは、両者ともいい感じではないかな。とくに項羽がいい。この作者は、策士もいいんだけど、やはり戦人(いくさびと)を描いてこそ。

たぶん、窮奇との戦闘もあるはずだから、今から楽しみ。

項羽って、「殺しすぎて人が減ったせいで戦いが続けられず楚漢戦争が終わったんじゃね?」というぐらいすごい数の人を殺してるので、そのへんどうやって表現するのかな。モノローグで「○○人殺した」とするだけでもいいだろうし、生き埋めのようすを描くのもいい。

それから、やっぱり「キングダム」のネタバレになってしまうところはあった。もろに人名が出て「あー、あの人そうなっちゃうの……」というのもあるし、「○国と○国が戦った」という説明があって、今後の展開が読めてしまう、ということも。

まあしかたないかそこは。

おしまい。