Eマウント用のFEマクロレンズを比較し、クローズアップレンズでマクロを疑似体験してみた

ソニーのミラーレスカメラは「Eマウント」という規格で、Eマウント用のFEレンズには現在2種のマクロレンズがある。

「FEレンズ」とはEマウント用のレンズのうち35mmフルサイズ対応のレンズのこと。Eマウント用のレンズには、FEレンズではないAPS-C用のレンズもある。

近いうちに、シグマもソニー向けにマクロレンズを発売する予定で、これ含めるとマクロのFEレンズは3種となる。

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いずれマクロレンズも欲しいので、FEマクロレンズ3種のスペックを比較してみた。

日々の撮影練習にマクロレンズがあると楽しいんじゃないか

α7IIに標準ズームのSEL2870で撮影の練習をしている。なにかひとつテーマを決めて100枚撮る、みたいな。

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すると、自宅でブツ撮りになることが多い。ボールペンとか手帳とか。

そんな小物を撮影すると、意外に寄れないことに気づく。

SEL2870、カタログでは最短撮影距離は30センチ(ワイド端)/45センチ(テレ端)となっているから、まあ仕方がない。

「最短撮影距離」とはセンサーから被写体までの距離。α7IIだと左肩にセンサー位置のマークがある。

レンズ先端から被写体までの距離は「ワーキングディスタンス」という。

マクロレンズの実感をつかむためにクローズアップレンズを使ってみる

撮影練習がブツ撮りになることが多い。

でもSEL2870だと寄れない。

ブツ撮り練習のためにマクロレンズを入手するのもいいか。ポートレートにも使えるんじゃないか。

そんなことでマクロのFEレンズを検討しはじめた。

マクロFEレンズは、ソニーから2種が発売されている。シグマも近日中に発売する。計3種。

焦点距離順にスペックをまとめてみた。大きさや重量を比較したく、参考までにSEL2870も表に加えている。

レンズの名前 最大径×長さ(mm) 重量(g) 最短撮影距離(mm) お値段 アマゾン
SEL50M28(FE 50mm F2.8 Macro) 70.8 x 71 236 160 50,490円 アマゾンで調べる
70mm F2.8 DG MACRO 70.8 x 105.8 515 258 53,460円

SEL90M28G(FE 90mm F2.8 Macro G OSS) 79 x 130.5 602 280 116,880円 アマゾンで調べる
SEL2870(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)  72.5 x 83  295  300-450 43,380円 アマゾンで調べる

お値段は2018年5月13日現在の価格ドットコムの最安値。70mmはEFマウント(キヤノン用)の価格。

70mmは同じレンズでEFマウント(キヤノン用)が2018年5月25日、SAマウント(シグマ用)が6月22日の発売予定。Eマウントは発売日未定なんだが、7月以降なんだろうね。7月だとありがたいけど。

しかし、この表を眺めてもどのマクロレンズがいいとかまったく実感が湧かないので、SEL2870にクローズアップレンズを付けて擬似的にマクロを体験してみた。

クローズアップレンズとは? レンズ前に虫メガネを付けるようなもの

クローズアップレンズは、プロテクターのようにレンズの前に装着して、最短撮影距離を短くできるアイテム。「マクロフィルター」と呼んでるメーカーもある。

クローズアップレンズは、どれだけ寄れるかを「No.」で分類している。数字が大きいほど寄れる。

▲クローズアップレンズのメーカーのひとつ、kenko公式より。

市場にはNo.1~5と、No.10の6種類が流通しているようで(6~9は見たことない。クローズアップレンズは重ねづけできるため、1~5があれば6~9は必要ないということか)、今回は最短撮影距離がちょうどよさそうなNo.4を入手した。

なお、クローズアップレンズで寄れるならマクロレンズは不要なんじゃないか、という気もするが、クローズアップレンズは安い虫眼鏡みたいなもの。なので、画質が落ちるというデメリットがある。

自分で撮影して写真を確認してみたら、中央付近は気にならないが周辺はちょっと落ちるかな、と。縮小画像をブログに載せるぐらいなら全然気にならないかも。

またNo.が大きくなると、寄れるのとひきかえにより画質が悪くなるようで、No.10だと縮小画像でも周辺の流れが一目でわかる作例もあった。

さらに、クローズアップレンズを付けてるとマクロ域でしかピントが合わなくなる。通常の距離ではピントが合わない。これは微妙にめんどくさい。

SEL2870の焦点距離が50mmのときにクローズアップレンズNo.4を付けると最短撮影距離は36.5cmから23cmになる

まずはSEL2870の焦点距離を50mmにして、クローズアップレンズの有無で最短撮影距離がどのように変化するのか試してみよう。

クローズアップレンズ無しでは36.5cm。

クローズアップレンズ有りだと23.5cm。約13cmの短縮。

実際にクローズアップレンズ付けて撮影してみると、ものすごく寄れるようになるな、と。

▲作例。

実はこの写真、フォーカスロックで構図を変えたときにコサイン誤差でどれほどピントがずれるかを検証してたもので、ボタンにピントが合ってないんだけど。

▲これは手帳の角にビシッとピントが来ている。

皮革の繊維が毛羽立っている様子にゾクゾクするからやはりマクロレンズが合っているのかもしれない。

SEL50M28は最短撮影距離が16cmなので、クローズアップレンズをつけてもそれにはまったくおよばないのだが、実際に16cmまで寄ってみると、レンズが被写体に触れるんじゃないかというところまで寄れる。

そこまで寄ると、レンズの影が被写体に落ちてしまうほど。

SEL50M28はSEL2870よりも短いから、実際にはもうちょいワーキングディスタンスをかせげるはずだが。

座ったままでテーブル上の写真を撮るような、スマホみたいなつかいかたするのにいいレンズなんじゃないか、と。

SEL2870の焦点距離が70mmのときにクローズアップレンズNo.4を付けると最短撮影距離は43cmから25cmへ

次にSEL2870の焦点距離を70mmにして、クローズアップレンズの有無で最短撮影距離がどのように変化するのか試した。

▲クローズアップレンズ無しでは43cmが最短。

▲クローズアップレンズ有りだと25.5cmに。約17.5cmの短縮。

70mm F2.8 DG MACROの最短撮影距離は25.8cmなので、ほぼ同じ。

▲作例。

ボタンのあたりを等倍に拡大してみても鮮明で、もうクローズアップレンズでいいんじゃないか、と思うんだが、周辺は流れてる。

マクロレンズとして、50mmと70mmの画角を比べてみた感想は、70mmのほうが使いやすそうな。70mmの最短撮影距離25cm程度でも、姿勢を正して座高の高さを生かせば、座ったままテーブルフォトもいける。

70mm F2.8 DG MACROのキャノン用が発売されたらレビューが出回るだろうから、楽しみに待ちたい。

SEL90M28Gの使い勝手を想像してみる

で、SEL2870では焦点距離90mmを再現できないので、SEL90M28Gの画角をマクロ的に再現することもできない。使い勝手を想像してみるしかない。

SEL90M28Gの最短撮影距離は28cm。そして70mmより画角は狭くなる。

……うーん、想像しづらい。

少なくとも、これだけデカくて重くて高いレンズ、ブツ撮り練習のために買うのはいかがなものだろう。

あるいは、いいレンズ買ったら創作の幅が拡がる、ということもあるのかもしれない。

公式の作例を鑑賞したら、ネコの瞳なんかはウットリするほど写りがいい。

フォトヨドバシのレビューも、かなり危険。

なにより、Gレンズカッコよくてウットリする……

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ということで、マクロFEレンズ3種を比較し、SEL2870+クローズアップレンズで擬似的にマクロを体験してみた。

ワーキングディスタンスをかせぎつつ、中望遠の圧縮効果による絵作りに期待するなら70mm F2.8 DG MACROかSEL90M28Gなんだが。

70mm F2.8 DG MACRO、予測されるお値段はSEL50M28と同じようなものなので、コスパはいいだろう。

というかSEL90M28Gが高すぎる気もするが。

しかし手振れ補正とかスイッチとかいろいろ付いてるし、フォーカスしてもレンズ全長が変わらないインターナルフォーカシングだし、クラシカルな倍率/距離目盛もしっかりついてて「コストダウン感」が全く無いSEL90M28G、正直かなり欲しい。

全力投球で中望遠マクロ作りましたよ買いたいヤツだけ買ってね、というソニーのメッセージがプンプンする。是非とも手に入れてみたい。さすがGレンズ。

まあ、ひとまずは70mm F2.8 DG MACROのレビューが出てくるのを待ちたい。それまでクローズアップレンズで撮影練習にいそしむとします。

おしまい