読書メモ

アドラー心理学実践入門 ~「生」「老」「病」「死」との向き合い方 岸見一郎(著)を読んだぜ!

2017年8月6日更新

本書は、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」の著者による、アドラー心理学実践のためのテキストです。タイトルに、「生老病死」という文字が入っており、仏教的なにおいがしますね。著者も、それについて前書きでふれています。

また、本書を読むと、「嫌われる勇気」の青年と哲学者は、まさに著者の岸見一郎氏の昔と今なのだな、ということがわかり、「嫌われる勇気」を再読したくなってきます。

「嫌われる勇気」の青年と哲学者がここにいる

生老病死とは人間の根本的な悩みであり、ついには死ぬまで解決しがたいことで、だからこそ宗教に人びとは頼るのではないでしょうか。

ぼく自身は、宗教というものにはうさんくささを感じます。教祖の教えを伝えるために教団が結成されるわけですが、教団もまた組織であり、組織であるからにはそこに属する人びとの利害関係を超越することはできません。多くの宗教団体の指導層は、権威を振りかざし、搾取に走り、「生老病死」や、さまざまな悩みを解決するという本来の宗教の目的から逸脱しているように見えます。

心理学という学問が、ほんとうは宗教が負わなければならない「生老病死」や、その他の悩みをカバーできるのだろうか。そんな興味をもって、本書を読みました。

90歳になっても仕事があれば取り組んで先延ばしにしない

「嫌われる勇気」は、若き青年の悩みに哲学者が答えるかたちでした。だからか、「老病死」という、人生の後半に起こる悩みを、大きくはあつかいませんでした。

著者は、心筋梗塞でたおれ、死を覚悟し、生還した体験をもっています。本書の後半では、その体験と、アドラー心理学の見地から、老病死について述べます。簡単に解決する問題ではなく、難解であるので、一度読んだだけでは理解しがたい部分もあるのですが、「人生を先延ばしにしない」という言葉にはぞくっとしました。

仏教学者の鈴木大拙のことが、挙げられます。大拙は、90歳から親鸞の経典の英訳を開始し、93歳で完了したといいます。自分では想像もできない境地ですが、それでも無理矢理自身にあてはめてみると、先送りにしていることがなんとも多いことに、おどろくのです。

やりたいことは数多くあるのに、いつやるのでしょう。大拙のように90歳からスタートすればいいのでしょうか。そうではありませんよね。

死を無効化せず、死とむきあうにはどうすればいいのか

死んだら転生して生まれ変わる。今の人生で行った悪いことや善いことは、来世で帳尻が合う。そういった考えがあります。

悪いことをすれば死んでから地獄に落ちるよ、いいことをすれば極楽にいけるんだよ、というのはとても便利なしつけの言葉です。みながそういったしつけをされてきたから、自然にそのような考えが身につくのでしょうか。

しかし、死んだらそこで終わりだ、とぼくは考えています。死んだらそこで生命は終わるのです。転生輪廻もないし、天国も地獄もありません。

だから、善いことをするのがむなしいわけではありません。不条理で、なんのためかよくわからない人生であろうと、より良く生きたいのです。

本書では、どのように死と向き合えばいいのかが、平易な言葉で述べられているのですが、一読しても、二読三読しても理解しがたいのです。それはまあ、しかたがないです。死が怖い、どうすればいいのか、という悩みが、本を読んだぐらいで解決するわけがありません。

アドラー心理学とは実践するものですから、本を読んで頭で考えているだけではだめなのでしょう。ライフスタイルを変えて、より良く生きていく、という実践のうちに、死をはじめとする悩みは、解決していくのでしょうか。

アドラー心理学の本

おしまい。

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