「イノベーションを起こす」と簡単に言ってしまう人を信用してはいけない

イノベーション。革新を起こして世の中を変えていくこと。

なんだかカッコよく、口当たりがよく、いかにも仕事してる気分になれるのか。イノベーション! と簡単に言ってしまう、組織のトップやリーダーは多い、ような気がする。

でも、注意しよう。イノベーションって、猛毒だから。

革新するということは「革新される側」がいるということ

イノベーションとは、なにかを革新していくこと。世の中にとって、いいことのように思えるけど、実はけっこうつらいことでもある。

革新する、ということは「革新される側」がいる。革新される側って、だいたいは「あなた」や「わたし」といったフツーの人。

織田信長、というひとがいる。日本史において最大のイノベーションを起こした人。信長が「中世」を革新して、「近世」への扉を開いたから、日本という国は大きく躍進した。

しかし、中世という時代に、フツーに生活している人びとはたくさんいて、信長はそういった人たちを抵抗勢力としてたくさん殺した。殺さねば革新できないから。

イノベーションをなしとげることができるのは一握りの天才だけ

イノベーションとは、抵抗勢力との戦いであり、かれらの犠牲の上に成り立つ。抵抗勢力は、それはもう必死に抵抗する。血みどろの戦いとなる。

現代のビジネスの世界でもそう。革新するということは、他者の利益をぶんどりにいくこと。

イノベーションって、普通の人がやれることではない。だから、なにかの演説で「我が社はイノベーションを起こし〜」とか言ってしまうリーダーは、信用に値しない。

具体的になんなのかよくわからないことをやる、と言ってるわけだから。

あるいは、イノベーションがなにかを理解した上で、言ってしまう人もいる。これも要注意。血みどろの戦いに、周囲を巻き込もうとしているわけだから。

「血みどろの戦いをしてみたい」というなら話は別だけど。

信長もジョブスも天才なんだけど勤め先の社長だったらツラいよね

織田信長。あるいはもっと近い時代でイノベーションを起こしたスティーブ・ジョブズでもいい。

かれらの伝記にふれてみると、その人間性は苛烈だ。天才とは、えてしてそういうものかも。

イノベーションの恩恵を受ける側ならいい。iPhoneでたしかに世界は変わったから。

でも、イノベーションを起こす側として、そういった天才のもとで働くことが幸せなのか、どうか。

そもそも、普通の人間であるぼくなどは、天才であるかれらからは戦力外通知を受けるだろうけど。足軽とか、中国の工場でiPhoneの組み立てするぐらいならできるかも……

イノベーションには近づくな

というわけで、

  1. イノベーションがどういうことかわかっていないのにやるという人 → 口だけなのでヤバい
  2. イノベーションがどういうことかわかっててやるという人 → 血みどろの戦いを周囲に強いるのでヤバい
  3. イノベーションをホントにやってしまう人 → 信長やジョブスの伝記を読んでみるとヤバい

と。

イノベーションオジさんは、割合からすればほとんどが1。たまに2がいて、3はどうだろうね。そうはいないだろうけど……