終身雇用制という幻想に20年も乗っかったおっさんと就活さえしなかった女の話

人生レベルで後悔していることが二つあるんだけど。

ひとつは、若いうちから気になる女性にもっとガンガンアタックしてればよかったなー、と。

もうひとつは、終身雇用制にのっかり、正社員という身分に20年以上も甘んじてしまったこと。

やり場のない怒りと悲しみがこみあげる。

生産性が低くて長時間労働で自殺する人多くて正社員って大変

日本の企業は先進国の中でも生産性が低いとか、長時間労働とか、自殺者がめちゃ多いとか。

そんなニュースをよく目にする。

周囲でも、死んでしまった人とか、死にそうになった人とかいた。自分自身もちょっと追いつめられて「死んだら開放されるな」とチラッと考えたことも何度もある。

行き詰まった感がある日本の労働。国は「働きかた改革」に取り組んでいるけど、システムの不備をバッサリとぶった切ることができない。

システムの不備って、終身雇用制。正社員という身分。

と作家の村上龍も言ってる。

終身雇用制はどうやって誕生したのか

正社員という身分を保障する「終身雇用制」は日本独自のシステムだという。

その源流はどこに?

身分の保障とひきかえに長時間労働する正社員は、「滅私奉公」で徳川幕府に仕えた武士によくたとえられるよね。

武士の労働スタイルが現代日本に受け継がれているのだろうか。

調べたらぜんぜんちがってたわ……

戦前には終身雇用制は無かった

戦前までは、日本に終身雇用制はなく、雇用の流動性は高かったらしい。

みんな気に入らなかったらバンバン会社辞めて転職してた。

腕のいい職人なんかは、報酬が高い勤め先を渡り歩くのがフツー。

しかし1937年に日中戦争がスタート。徴兵で人手不足。職人の引き抜きが激しくなり、軍需産業が困った。

軍需産業のために従業員の身分を保障 転職も解雇も禁止

1938年には国家総動員法が制定。戦争にすべてをブッ込むため、国のリソースを政府が掌握するというムチャな法律。

このあと1941年までに、軍需産業の従業員の定期昇給が定められ、退職金支給が半義務化された。他の職種でも、自由な転職や解雇が禁止された。

1941年といえば、大東亜戦争がスタートした年。

政府が「報酬や身分は保証するからガンガン戦争しようぜ」と派手にブチ上げたわけ。

だけど、結果は周知のとおり。

戦後の混乱期に労働者は安定を求めた

1945年、敗戦。

1946年、国家総動員法が廃止。

戦後の混乱で、貧困にあえいだ労働者は安定を求めた。労働運動が盛んになり、年功序列の定期昇給、不当解雇の規制、退職金の支給制度が一般化していく。

国家総動員法がなくなっても、みんな再び身分の安定を求めたのだろうか。1950年代には、終身雇用制が定着したようだ。

1980年代には「正社員」という言葉が一般化し、今に至る。

終身雇用制の源流は戦争だった

こうやって見ると、終身雇用制の源流は、戦争にリソースを全フリするための国の施策だったということか。

▲インベスターZ10巻より。

サラリーマン。正社員。終身雇用制。

そもそも「終身」とは? 終わり、つまりは定年までホントに安定して昇給していく人って、ホントにいるの? 全体の何割?

ひとつの産業や、あるいは企業が、数十年間、安定して成長していくなんて、不可能じゃない?

日本という国でさえ、国家総動員法を制定して、わずか数年でそれを廃止したんだから。

フリーランスを選び今この瞬間を存分に楽しむ人

誕生して隆盛して儲かった企業は、いつか衰退していく

それを簡単に「終身まで雇用しますよ」と言ってしまうのはおこがましく、幻想でしかない。

嫁(24歳)は「正社員なんざまっぴらごめんだわ」とうそぶき、1ミリも就活などせず、フリーランスとなって昼とかあるいは夕方まで好きなだけ寝る生活を選んだそうな。

「将来」という予測できないことを怖れ、終身雇用制という幻想に20年以上も乗っかってきた自分としては、そういうところがうらやましくもある。

もうちょっと早起きしたほうがいいんじゃないかとは思うが。

▲表紙の小利口そうな主人公が莫大なカネでマネーゲームに講じるマンガなのだろうと、と思って読み始めたらそのとおりだった。

でもおもしろい。住宅ローン編、生命保険編は特に好き。

おしまい