パシフィック・リム アップライジングを観てきたから感想を書く

パシフィック・リム第一作でジプシーデンジャーの出撃シーンに涙してしまったので、当然第二作も観にいった。

おもしろかったんだけど、第一作にあふれていたあの「熱さ」は薄くなり、フツーの映画になってしまったな、と。

巨大カイジューをデカい鋼鉄の重機でシバきあげる映画 パシフィック・リム

パシフィック・リム第一作の魅力というと、日本の特撮怪獣映画やロボットアニメの要素をすくいあげ、ハリウッドで大まじめに映画にしてしまったところ。

ロボットや怪獣という、幼少のころに夢中になったコンテンツを、最新技術で、しかも当時のそれをきちんとリスペクトしつつ、映画としてよみがえらせたパシリム。

初見では、わけがわからず、夢の中で観ているような気分で「この映画ホントに現実のものなの?」と何度もうたがった。

巨大な重機のようなジプシーデンジャーが合掌して出撃し、夜の都心でビルを破壊しながらカイジューをシバく。それがパシリムの魅力だ。

しかし。

第二作「アップライジング」では、えらくスマートにイェーガーが動きまわり、スライディングとか回し蹴りとかキメるんだが、そうじゃなくって!

ズシズシ歩いて、鉄拳でなぐってなぐって、ロケットパンチで追いこんで、ここ一発のピンチにチェーンソード起動で一刀両断。それが美しいイェーガーの戦い方ではないか。

イェーガー同士のチャンバラもちょっとだけならいいんだけど、けっこうそこがメインになってしまってるしね。

これトランスフォーマーだよもう……

逃げて葛藤して戻ってくるのが主人公パイロットのフォーマットなんだけど

パシリム第一作の魅力はイェーガーとカイジューだけじゃなくて、人間ドラマもきちんと描いているところ。

優れたパイロットだったのに兄を亡くしたショックで逃げ出したローリー。カイジューよけの壁を作るバイトの日々。そこへかつての上司がむかえにきて、……という王道の流れ。

兄のカタキをとる、いっぺん逃げてしまったけどやっぱりあきらめない、過去のケリをつける。そういった、主人公の葛藤が、カイジューを退治して世界を救うという大義名分とシンクロしているので、ストレートに感情移入できる。

これは、ロボットアニメの主人公パイロットのフォーマットだ。

その脇を固める上司も、ヒロインも、イヤミな若手もみな魅力的でそれぞれの役割を果たすことを忘れない。

本作「アップライジング」。主人公のジェイクは逃げ出し、窃盗で生計を立て、パクられて森マコのコネで軍に戻してもらうまではいい。

しかし、イヤミな同僚とのバトルが始まるかと思えばうまくやり、アイスクリームに大量のトッピングをしてむさぼり食い、無人機が配備されたら軍を出れると喜び、でもピンチになったらなぜかリーダー枠におさまる。

ローリーはパイロット選考で脱いだら意外にマッチョで、東郷示現流(!)でフィジカルの強さを示したが、ジェイクは脱がない。格闘訓練で訓練生をぶちのめすシーンがあれば、教官と教え子の絆も描けたんじゃないか。

フツーの映画になってしまった「パシフィック・リム アップライジング」

アップライジングは、フツーじゃなかった前作を乗りこえようとして、違う方向に行ってしまい、フツーの映画になってしまった。

脚本をヒネりすぎたせいか、パイロットの絆を描けてないし、イェーガーとカイジューの戦いが始まるのは終盤だし、あのテーマもほとんど流れない。

ジプシーアベンジャーの合掌ポーズをネタにしてしまったのもいただけない。

アップライジングは、続編をにおわせて終わるが、もし第三作があるなら、カイジューをシバくシーンを増やしてください。

おしまい