手帳術とノート術

システム手帳のおすすめブランドとバインダーをまとめてみた

システム手帳のおすすめブランドと、バインダーをまとめておく。

自分でつかったか、あるいはさわったことのあるもの限定だ。

アシュフォード(ASHFORD)

アシュフォードは1986年に日本でシステム手帳を発売した、最古のメーカーのひとつ。文具店や書店のシステム手帳コーナーでもよく見かけるので、営業に力を入れているのだろう。

アシュフォードでオススメできるバインダーは、価格が低いものだと「ディープ」シリーズか。

▲ディープ。このシリーズの前身である「ローファー」のリング径30mmのモデルをつかっているが、いいバインダーだ。

なにがいいかというと、

  • 柔らかな水牛の革をつかっており、開きがよい。
  • 財布状の背面ポケットで収納力が高いが、厚ぼったくない。
  • 艶があって、手になじむ革なのに、値段がおさえめ。

といったところか。

ディープはローファーの特長を受け継ぎつつ、裏側にファスナーポケットを増設、ペンホルダーが可動式に、と改良を加えた。値段はローファーの15,000円から1,000円安くなり、14,000円に。

ディープのバイブルサイズはリング径19mmのみなので、11mmや30mmがほしいならローファーの在庫を探してもいいだろう。

▲ローファー。他社も含め、1万円台前半のバインダーは低コスト感がただよい、正直あまりおすすめできないが、ディープとローファーは例外。そんなに安っぽくなく、革の手ざわりも楽しめる。

▲アシュフォードのルガード。バイブルサイズ25mmで税込32,400円と高額なバインダー。作りがよく、革が美しく、文具屋に行くたびにルガードに触ってウットリしている。

牛革のショルダー部分を、ベルギーで植物タンニンで鞣し、水染めしたという革。赤、黒、紺などから色が選べるが、ルガードなら赤が美しくておすすめ。

よい革のバインダーは、ゴツくてかたくて開きが悪かったりするが、ルガードは縫製や漉きで工夫しているのか、開きもよい。

▲アシュフォードでもうひとつ、気になるバインダーが「プレスコット」だ。これも、文具屋に行くたびに手に取るバインダーだ。

1980年代の製品を復刻したという。ただ単に形を復刻しただけでなく、革のなめしや着色、コバの処理も当時のものをできる限り復刻している。

【関連記事】30年前の物作りに挑戦したシステム手帳プレスコット|アシュフォード公式

革はフルタンニンレザーで、経年変化がはやい。染色が、通常のドラム染色ではなく岡染め方式なので、表面にしか色が付かず、使いこめば色落ちしていい味わいとなるのだ。

実際、店頭サンプルでもいい感じに色落ちしており、味わい深く、これは自分の手元に置いて革を育てたいな、と思う。

プレスコットが他のバインダーと大きく異なる点が、本のようなスクエアバックの背表紙だ。

▲アシュフォード公式より。

上がプレスコット。システム手帳は下のような丸い背表紙が一般的で、プレスコットのようなスクエアバックは珍しい。というか他に見たことがない。

▲アシュフォード公式より。

180度、べったりと開くのがスクエアバックの特長だ。

店頭で実際にプレスコットを手にしてみると、今風のしっとりしたいかにも高級そうな革ではない。わざとらしい発色の、なんだか古くさい雰囲気の革だ。

昔の作り方で作ったので、古くさくて当然なのだが、正直、30,000円という価格に見合った雰囲気は感じない。同じ価格のルガードのような、輝く宝石のようなオーラはない。

しかし、いじくり回しているうちに、これはなんだかいいものかも、ということに気づく。

まず注目したいのはコバの仕上げ。

▲アシュフォード公式より。

上がプレスコット。下は、近年のシステム手帳によく見られる、粘度の高いコバ液を盛った仕上げで、一見きれいだが、つかっていくうちに割れて、はがれる。写真でもすでに、割れている。

プレスコットのコバ処理は凝っていて、粘度の低いコバ液を浸透させ、繰り返し磨いて仕上げている。手にしてみるとわかるが、これは割れたりはがれたりはしないだろう。

わざとらしい発色で、高級感を感じない革も、上記のように30年前の手法で作っているから。

▲アシュフォード公式より。

前出のように、この革は経年変化が早いので、つかいこむとこの写真のように色落ちしてくる。こすれるところや可動部から変化しているのがわかるだろうか。

プレスコットの造型は、30年前に日本に上陸したファイロファックスのウィンチェスターの影響を受けているのだろう。ホック止めのベルト、長辺センターに位置したペンホルダーなどに、それがうかがえる。

ヤフオクでビンテージのファイロファックスを入手しようかと考えているが、プレスコットを手に入れて使い込み、自分の手で経年変化を楽しむのもいいかもしれない。

アシュフォードの取り扱い店一覧は以下に。

取扱店一覧|アシュフォード公式

ノックスブレイン(knoxbrain)

▲ノックスブレインは、1985年にシステム手帳を発売した、老舗のメーカーのひとつ。

▲オススメのバインダーは、低価格なところではルフトだ。

ぼくも先日、システム手帳を再開するにあたり、入手した。

関連記事:システム手帳を再びつかうために驚異的な薄さのバインダー「ルフト」を買った|KOKOSAKI

▲ルフトは、薄くて軽いので、綴じ手帳に近い感覚でつかえるのが利点だ。

システム手帳って、ユーザーがリフィルを書いて育てていくもの。書いて書いて、有用なリフィルがたまるにつれて便利で手放せないものになっていく。

それだけに、最初はつらい。20mm前後のリングのシステム手帳を買って、意気込んであれこれとリフィルを選んでセットしても、なんの役にもたたない。全部白紙だから。

▲30mmリングのローファーと、11mmリングのルフト。

でかくて重くて、白紙のたばであるシステム手帳。役に立たないので持ち歩かない。持ち歩かないから書く機会もない。そのうちあきてやめてしまう。……というユーザーを、何人か見てきた。もったいない!

▲ルフトの構造。一枚革でポケットはない。コバの処理も必要最小限だ。

ルフトは、手帳をつかう上で最も重要な、「持ち歩く」ことが簡単だ。レフト式のウィークリーと、方眼メモあたりを適当にセットして、綴じ手帳の気分でつかえばいい。とにかく持ち歩いて、書いて、見返す。これを習慣にすることで、自己管理能力がアップするし、過去の自分の思考から気づきを得る、ということが増えくる。

そこまでいけば、手帳は相棒だ。半年もたったらリフィルがあふれてくるから、数百円の保管用バインダーを買って、過去のリフィルを整理しよう。持ち歩きたいリフィルが増えて、ルフトでは対応できなくなったら、20mm クラスのちょっといいバインダーを買う、というのがオススメのシステム手帳入門コースだ。

過去につかっていたノックスブレインのバインダーで忘れられないのが、「ユナイト」だ。

▲ベルトの剣先が、表紙内部に収納され、露出しない構造となっている。システム手帳をカバンに出し入れするとき、ベルトが引っかかるというのはよくあるが、ユナイトだとそういうストレスがない。

リングは16mm。中途半端なようですが、これがけっこう使い勝手がいい。20mmほどヘビーでなく、11mmほど収容力が低くない。カバンにも収納しやすい。手の中でのおさまりがいいのに、意外なほどリフィルは入る。

革も、使いこむと透明感が増す、いい革。カラーはいくつか種類があるが、黒×赤がカッコいい。外は黒革に赤色のステッチ、開くと鮮烈な赤という派手さ。

店頭でさわって、気になっているのが「プレジオ」だ。

▲ノックスブレイン公式より。

▲なんと、豚革をつかっているそうな。

▲ノックスブレイン公式より。

メーカーでは「コードバンと同様なアプローチで仕上げた新開発の革」と述べている。

さわった感じは、普通にいい革だった。使いこむと、どのように変化していくのか楽しみ。

ユナイトのような派手さはないが、縫製が丁寧で、作りがよく、端正な雰囲気なのが気に入った。

リングは16mm。前述のように、この大きさのバインダーは大活躍する。

ファイロファックス(fILOFAX)

ファイロファックスは1921年設立の、システム手帳をこの世に生みだしたメーカーだ。

日本のメーカーのように、革や縫製にこだわった製品づくりではない。実用的な文房具という位置づけか。

▲オリジナル。イギリス製だそうで。

1921年世界で初めてシステム手帳を作り出した、ファイロファックス社の当時の製法をモチーフに、厚手の牛皮を一枚仕立てでデザインしております。

▲ファイロファックス公式より。

当時の製法をモチーフに、としているが、ウィンチェスターのような雰囲気は皆無だ。牛革をザックリ切ってザッと縫い合わせた、コバの処理もしていない切りっぱなしの実用品。でも、これはこれでいい。

生産が中国にシフトした1990年代後半から2000年代後半あたりまで、日本国内のファイロファックスの値段は品質に比べて明らかに高過ぎた。

樹脂コーティングした安い革なのにいいお値段だった「クロス」とか。

フラッグシップの「イートン」なんて、たしかにいいシステム手帳だけど65,000円もしていた。

そのころの高級ブランドのふりした路線からすると、現在の実用品に徹した製品展開は好感が持てる。

2021年には100周年記念で、またウィンチェスターが復刻されることを期待している。

オススメのシステム手帳バインダーの選定基準は?

ということで、オススメのシステム手帳バインダーをまとめてみた。

システム手帳のメーカーは数あるのですが、アシュフォード、ノックスブレイン、ファイロファックスを選んだ基準は、

  1. 1980年代(あるいはそれ以前)からシステム手帳を作り続けている老舗である
  2. リフィルやパーツも含めた製品展開をしている
  3. 文具店や書店で製品を手に取りやすい

の3つだ。

実は、この基準にあてはまるメーカーとして、バインデックスもあるのだが、正直、近年は買いたいと思うバインダーがない。

リフィルは最高なんだけどバインデックス。

▲黒×金のルフトにバインデックスのレフト式ウィークリーをセットすれば、「ほぼ能率手帳ゴールド」が作れたりする。

そんな遊びができるのも、規格が統一されてさまざまなバインダーやリフィルを組み合わせることができるシステム手帳ならでは。

おしまい。

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