「東大合格生のノートはどうして美しいのか」太田 あや (著) を読んだぜ やはり高学歴は高収入なのか?

人のノートや手帳を見るのが大好きで、そういった企画の本や雑誌は食い入るように読んでしまう。

この「東大合格生のノートはどうして美しいのか」は、美しい写真とレイアウトで、頭のいい人のノートをのぞき見ることができる楽しい本で、たまに読み返す。先日「あるニュース」が契機となり、また読み返してみた。

社会人にも役立つ、頭のいい学生のノートの取り方

本書では、東大生に限らず、京大生や、東大を出た社会人のノートまで、様々なノートを美しい写真でのぞき見ることができる。

ノートの取り方についても触れており、授業ノートをとる際の「バン・カイ・ギ」(板書、解説、疑問)の考え方は、社会人のノートにも応用できる。

打ち合わせ内容や上司からの指示が板書と解説だとすれば、そこから発生した疑問や着想も合わせて書くことで、ノートは宝の山となる。

頭のいい人が書いたノートは、大げさではあるが芸術のようであり、ながめているだけでも楽しいものだ。

勉強できるかできないかは遺伝なの?

本書の中でも大きく興味をそそられたのが、「ノートの美しさは遺伝で決まるの?」という記事だ。

おじいさん、お父さん、息子さんがみな東大を出たという一家に取材し、それぞれのノートをならべている。

みなさん、きれいにノートを作っている。しかし、実は息子さんの弟はぜんぜんノートをとらない人だそうで、ノートの美しさは遺伝ではなく、家庭環境や性格では、との結論だ。

たしかに、東大を出るほどの学力がつくかどうかは、家庭環境が大いに関係するはず。

自分の幼少のころを思い出すに、両親が「勉強しろ、勉強しろ」とうるさく、しかたなしに机に向かうものの、そもそも勉強のしかたがわからない、ということがあった。

両親は学歴が低く苦労したそうで、息子にはその苦労をさせたくない。しかし、そもそも勉強の方法はわからない。だから勉強しろ、としか言えなかったのだろうな。

ある日、なぜそんなに勉強勉強というのか。だったらお母さんも勉強してはどうか。ぼくも勉強するからお母さんも勉強しようよ、と半分キレながら呼びかけてみた。

すると、勉強勉強と目を三角にしていた母は急に気弱になり、

「お母さんも勉強したかったんだけどもうこの歳でねえ……」

と悲しそうにつぶやくので、ぼくはなんだか悪いことしたような気がして、気持ちを入れかえて勉強しようとするが、やはりやり方がわからない、という悲しさ。

先ほどの一家三代が東大卒という御家庭では、おじいさんやお父さんが息子さんの勉強をサポートされていたはず。勉強とはなんなのか。どうやって勉強すればいいのか。その根源的な問いを、家庭で親から子に伝えることができる、というのは、将来その子にとても大きなプラスとなる。

いや、こう書くとぼくの両親が愚か者のようだが、ぜんぜんそんなことはなくて、自分たちが勉強を教えてやれないからと、遊びもせず教育に全力投資してくれた。本はいくらでも買ってくれるし、塾にも行かせてくれたし。

おかげで、弟は有名国公立大に。妹は語学堪能で海外留学し通訳に。いちばんの愚か者は、両親の期待に応えることができなかったぼくだったという。

高収入な人のノートものぞいてみたい

ところで、冒頭でふれた、「あるニュース」とは以下のこと。

「学歴なんて関係ない」の真実 生涯賃金これだけ違う|NIKKEI STYLE

ざっくりと要約すると、学歴で収入は違うよ、というもの。

みんなうっすらわかってるけどあえて口にしないことをズバッと言ってしまった、というか。

ニュースによれば、生涯賃金は、高卒で2.4億円、大卒で2.8億円。対して、推計値だが、早稲田卒で3.8億円、慶応卒で4.3億円、東大卒で4.6億円とのこと。

▲NIKKEI STYLEからの引用。グラフで見るとショックでかい。

高卒たたき上げで成り上がる人もいれば、高学歴プアという言葉も最近では見かける。しかし、それらは特殊な例であり、きちんと統計とればやはり高学歴は高収入につながるのだ。

このニュースを見て、

「東大生が高所得。東大生はノートが美しい。ならば高所得者はノートが美しいのか」

とふと考え、本書を読み返してみたわけ。

実際には、東大生が全員ノートが美しいわけではないので、高所得者の全員がノートが美しいわけでもないだろう。

というか、高所得者は特殊能力を持った人が多く、ノートなんかぜんぜんとらずに理解しがたい稼ぎ方をしているような。独立起業してからの印象だけど。

普通の人であるぼくとしては、そんなことをまねしようとしてもできないので、地道にノートに書いて、考えて、仕事を進めて行くしかない。

▲美しい写真、著者のマニアックなノートへの愛が光る。取材大変だったろうな。

▲こちらが先に出版され、ヒットしたので続編の「東大合格生のノートはどうして美しいのか」が出た。頭のいい人のノートは、使いこまれた道具のような迫力がある。自分のノートは、こういうオーラがないんだよなー。なんでかな。頭よくないんだろうな。

おしまい。